Biochemistry誌に論文が掲載されました
Narikawa et al. (2014) Biochemistry, 53 (31): 5051-5059
Biochemistry誌に論文が掲載されました。シアノバクテリアAcaryochloris marinaはAnPixJのような赤/緑型のシアノバクテリオクロムGAFドメインを5つ持ちますが、そのうちの一つが、赤色光と青色の光の間で光変換するユニークな性質を持つことを明らかにしました。ユニークな青色光吸収型は、システイン残基と色素との間の過渡的な共有結合形成によるものであることが分かりました。この研究により、システイン残基と色素との脱着による色変化メカニズムが、これまでに考えられていた以上に、シアノバクテリオクロムにおいて広がっていることが示唆されました。
この論文は、大部分は東京大学時代に行った研究ですが、一部、静岡大学で立ち上げた研究室で行った研究も含まれます。そういう意味では、独立して最初の論文となり、感慨深いものがあります。論文の査読においても、概ね、高評価でした。また、査読で要求された追加実験に加えて行った実験で、予想外に面白い結果が得ることができ、そちらを本文の図として採用することになった過程も楽しかったです。